JJUG CCC 2017 Springを開催しました #jjug_ccc
昨年の12月からブログを書いていませんでしたね。こんにちは、JJUG会長の鈴木雄介です。2017/5/20(土)に20回目となるJJUG CCC 2017 Springを開催しました。
まずは、参加者、講演者、スポンサー各社、ボランティアスタッフ、そして幹事のみなさま、参加ありがとうございました、そして、お疲れ様でした。
参加者は1034名(申込1874名)となり、過去最高を記録しました。20回目で1000人越えという大きな区切りを向かえることができました。
ともかく混雑してましたね。満席で部屋に入れない、部屋間の移動が大変、懇親会が満員電車などなど。我々としても、あの会場で1000人越えは厳しいな、と感じています。
結果「会場が狭い」「混雑しすぎ」という意見はメールやSNSを問わずにいただいています。はい、おっしゃるとおり。
そして、それに対して私も含めて感情的な反応が出てしまったことを申し訳なく思います。「事情も知らないのに文句を言うな」という感じで。この増田が分かりやすい指摘かと。
初めてJJUG CCCに参加した後輩が「聞きたいセッションがいっぱいで残念だった、もうちょっと広い会場でできればいいのに」と言っていたところに、「運営側の苦労も知らないで文句言うな」という意見が流れてきてむしゃくしゃして書いた。
Javaのイベントでは、会場の狭さに文句を言うことは許されない
運営側からすれば、色々な制約の中で選んだ会場であり、そう簡単に広くもできないという事情の中、参加者の一部からは好意的な言葉(「運営は頑張っている、狭いのは我慢すべき」)をもらっていると、どうしても文句に対して敏感になります。運営ハイの最中なので、なおさらです。
そんなわけで感情的な反応については心からお詫びをしたいと思いますが、一方で「幹事だって人間だもの」という広い心でお許しいただければ幸いです。
ところで増田に書かれている「コミュニティ慣れしていない人への対応」ですが、僕としてはコミュニティ初心者を歓迎したいです。コミュニティ文化を知らない人、あるいは「お客様気分」の人、そういう人がコミュニティに触れて、その混雑も含めて楽しさを見出し、もっと参加したい、次も来よう、いつかは登壇しようと思うきっかけになってもらいたいのです。そうでないとコミュニティは継続しません。
ですから、副作用的に文句が出ることも当然だと思っています。コミュニティの事情が良く分からないと「運営をどうにかしてくれ」と思うのは当然です。副作用は仕方ないのですが、それがネガティブな思い出になってコミュニティ初心者に伝わるのも避けなくてはいけません。
幹事にも言いましたし、いわゆる「常連」な皆様にもお願いですが、事情を知らない人にも優しくしてあげてください。ただ、甘やかす必要は無いので、(説教にならない程度で)コミュニティの事情や状況を話してください。1000人規模のボランティアイベントなんだ、参加者みんなで創り上げるもんなんだ、と。それを聞いても文句がある方は、次回から来なくなると思います。
僕としては「Javaとコミュニティ」みたいなセッションを毎回やったほうがいいんだろうな、と思いました。JUG(Java User Gourp/ジャグ)とは何か、Javaの仕様がどう決まるのか、標準JavaとOSSの違いはなにか、JJUGはどうやって運営されているのか、あたりでしょうか。
「そんなに真面目にやらなくても」という意見もあるかもしれませんが、社会人としてコミュニティのエコシステムを知ることは大事なことだと信じています。世の中を効率化するのに会社を超えたコミュニティは欠かせない存在です。
さて、「事情」は色々ありますが、私から話せるのはお金に関わることです。
今回のCCC実施にかかる費用は400万円ぐらいで、これをスポンサー費でまかなっています。今回は19社に協賛してもらいました。ちなみに日本オラクルさんは立場的にダイヤモンドスポンサーをお願いしていますが、大きなお金を出しているわけではありません。Javaコミュニティに賛同してくれている大事なスポンサーの1社です。
明細は以下の通りですが、ボランティアで運営しているため人件費はかかっていません。
- 合計:398万円
- 会場:290万円(ベルサール新宿グランドの料金表)
- 外注(通訳など):6万円
- レンタル(無線機、延長ケーブル):14万円
- 懇親会(フード、ドリンク):50万円
- コーヒー:10万円
- 交通費(地方講演者支援分):15万円
- 託児:13万円
たいていは費用が先支払いで、スポンサー収入が後になるため、一時費用は事務局企業に肩代わりをしてもらっています。つまり、毎回400万円の借金を背負いながら企画をしています。これまでスポンサーが足りない、開催できないといったことはないわけですが、常にリスクがある中で準備を進めています。ま、なんとかするしかないんですけど。
で、会場を拡げることは金額的な難しさと、物理的な難しさがあります。現在の会場は「会議室」であって「ホール」ではありません。これをホールにすると金額が数倍になります。JavaDayなんかは立派なホールですね。スポンサー費を数倍にすることも、スポンサー数を数倍にすることも現実的ではありません。そして、運営的にも広い会場には難しさがあります。音響や照明管理、誘導、椅子の移動など、スタッフに専門性と人数が必要になってしまうのです。
そんなわけで今の会場は程よい大きさと部屋数のバランスが気に入っています。もし、都内で10部屋以上で1000人以上収容できて、全部屋に1分以内でいけて、1日300-400万円のところがあれば、ぜひ教えてください。乗り換え検討しますので。他にも部屋別予約システム、全部屋無線LANなども検討していますが、いずれも数十万円単位で、かつ、完璧なものではありません。
そして人件費をゼロにするためには「幹事も含めてボランティアで回るぐらいの運営負荷にする」ということが大事です。CCCの運営は修業ではありませんし、儲けがあるわけでもないので、スタッフも苦労しつつも気持ちよくやれる、というレベルを維持する必要があります(打ち上げも割り勘です)。当日ボランティアスタッフは継続的に参加していただいている方もいて練度があがってきました。非常に感謝しています(参考:JJUG CCCボランティアスタッフのススメ - 我らねぶた馬鹿)。
また、本家のような有償化(数万円レベル)は考えていません。日本におけるJavaはエンプラを中心としつつ、OSSを含めれば非常に幅広いユーザー層が対象で、そこまで尖ったイベントをするのは難しいと思います。ただ、懇親会では「交流ではなくご飯だけが目的の人が増えてきた」という話もあるので、大きな負担にならない範囲で有償化を検討します。
もちろん、幹事も毎回のように改善を続けています。ただ、反省がなくなるわけではありません。次回は1000人超えをどうするのか、あるいは人数を絞るのか、幹事会で議論をしていきたいと思います(参考:JJUG CCC 2017 Spring 運営の人の話 – hotchpotch)。
結論として現時点では1000人を大きく超えるようなイベントをボランティアで回せる気がしていません。JAWS DAYを参考にすれば、とも言われたので、誰か中の人がいれば事情を教えてもらいたいです。五反田TOCメッセって、どうなんでしょう。
そんなわけでCCCは続けていきたいので、色々な試行錯誤をしきたいと思います。次回は11/18(土)を予定していますので、そこに向けたフィードバックはいくらでもお待ちしております。どうぞ、ごひいきに。
※年次定期総会資料