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ITアーキテクト 鈴木雄介のブログ

やるべきことをやる、壁を越える #devsumi 2020

久しぶりのデブサミで、世界最高の靴売場をシューカウンセラーとともにデジタル変革してみた という講演をしました。

ともにつくる

2019/10から三越伊勢丹グループの(株)アイムデジタルラボで取締役(Graatとは兼務)として仕事をしています。会社設立&取締役就任のきっかけであったプロダクト(YourFIT 365)が落ち着いてきたので、その成果の発表場所を探していました。

そんなとき、デブサミ2020のテーマが「ともにつくる」であることを知り、これはぴったりと応募したところ選出いただきました。講演の機会を与えてもらってありがたかったです。しかも、A会場って。

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会場の様子

資料を作る過程では「ともにつくる」というキーワードを伝えながら関係者にヒヤリングをしました。その話を整理して4つの「ともにつくる」を紹介できました。

  • 当事者と、ともにつくる
  • お客様と、ともにつくる
  • アナログと、ともにつくる
  • 既存組織と、ともにつくる

どれも大事なのですが、後半の2つはエンタープライズ領域のDX案件ならでは、かと思います。講演では話しきれなかったところを補足させてください。

アナログと、ともにつくる

三越伊勢丹というか百貨店そのものが斜陽産業であり、生産性の低いアナログの塊のように見られていると思います。たしかに、そういう側面もありますが、良い商品を良い形で買っていただく、ということには深い想いがあり、ECで得難いものもあります。
その代表が伊勢丹新宿本店の靴売場です。昔からフィッティングサービスに取り組んでいただけではなく、浅草の靴職人さん達とも深い関係にあり、プライベートブランドの靴を作ってたりします。Perfume ダンスヒールとかが有名ですかね。

だからこそ、「アナログがあるからデジタルが活きるし、デジタルがあるからアナログが伸びる」ということが実現できたのだと思います。ビジネス現場とエンジニアが一緒にプロダクトを育てる、という感覚が得られたのは良い経験となりました。

既存組織と、ともにつくる

システム開発をする上では、既存の基幹システムとの連携は必須でした。これが実現できたのは基幹システムとのブリッジをするAPIゲートウェイのチームのおかげです。彼らは数年前からフロントシステム向けのAPI基盤整備に取り組んでおり、いろいろな苦労をしながら仕組みを作り上げてきていました。
今回の案件では、既存のAPIの活用だけではなく、新たにデータを引っ張ってきてAPIを作るなど、幅広く対応してくれました。
また、初物のクラウドサービスを使う点も、セキュリティやガバナンスのチェックなど、様々な面で相談にのってくれ、結局「〇〇委員会の申請書」みたいなものはほとんど彼らが通してくれました。

もちろん、既存組織のしがらみというものは厳然とあるものの、それをどうやって変えていくのか、超えていくのか、ということを一緒に真剣に取り組んでくれたことは感謝しかありません。彼らも立派な当事者です。

やるべきことをやる

このプロダクトの成功は経営層、マネージャー、現場、開発チーム、その他多くの関係者一同が、それぞれにコミットしてくれた結果です。ただ、そのコミットは最初からあったわけではありません。

「なぜ、この案件が成功したのか?」と聞かれれば、「地力があった」のは前提ではありますが、その地力を引き出して成功するように、やるべきことをやったからなのです。
この裏には、山のように「失敗プロジェクトあるある」な要素があり、それが見つかるたびに各所の掛け合い、(裏技も含め)様々な手段を使って対応してきました。その度に奔走いただいた方々に大変感謝しています。

壁を超える

エンタープライズ案件の素晴らしいところは地力があるところです。大量の既存資産、優秀な人材、大きな市場。それを利用すればレバレッジが効きます。

エンタープライズ案件で壁になるのは変化を嫌うところです。非効率な意思決定ルート、無意味な規則、組織間の不整合、よくわからない忖度。それらに絡めとられると生産性が激減します。

だから、壁に当たりそうなときは「プロダクトにとって良いことはなにか?」ということに素直に向き合い、あるべき姿を実現すべく壁を超えるように働きかけるのです。

「それが日本企業のダメなところだ」という意見があることもわかります。でも、僕は、壁を越える方が、より大きく世の中を変えられると考えています。小さなプロダクトあったとしても、多くの人に届く可能性が高いからです。

YourFIT 365は靴のフィッティングサービスです。たかが靴、されど靴。お孫さんの結婚式に久しぶりに履くパンプスを見つけてくれた。わざわざ地方から合う靴がなくて悩んでいた方が来てくれた。クリスマスに奥様にプレゼンとしてくれた。パンプスが嫌いだった就活生が素敵な靴を見つけれた。そんなサービスです。

なにをしていくのか

さて、手元には数千件(年内には1万超)の足形データがあります。医療やスポーツ目的以外ということであれば日本最大規模でしょう。これが何に使えるのか、実は僕たちにもわかっていません。いろいろな試行錯誤をしながらプロダクトを成長させます。

そして、この取り組みを他の売場にも広めるべく、活動を開始しています。現場と一緒に顧客特性や商品特性と向きあい、新しいプロダクトを生み出していきます。

さらに、「ともにつくる」DXを積み重ねることが、日本全体でDXが越えるべき壁を低くしていくと信じています。そのために事例はどんどんオープンにしていきます。なにかあればtwitterなどで連絡をください。


最後になりますが、こういうのに興味がある!という人は、アイムデジタルラボに参加しませんか?エンジニアだけではなく、プロダクトオーナー支援やデザイナーなど幅広いキャリアの方を歓迎します(いまはエンジニア枠しかないですが、近々に増えます。それまで待てない方はエンジニア枠を利用して応募ください)。
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