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ITアーキテクト 鈴木雄介のブログ

デブサミ関西2016「クラウドの発展とデベロッパーの役割について」

JavaOneに来ていますが、満席で入れなかったのでデブサミ関西2016の話を。

「デブサミへの帰還。」というエモいエントリが上がっていますが、たしかにデブサミ育ちとしては、デブサミに呼んでもらえる、それも基調講演というのは非常にありがたい話です。そのあたりの経緯と雑感を。資料はこちら。


基調講演という形式ですが、本家の東京デブサミは基調講演というぶち抜き枠を置きません。広い会場で全員に同じ話を聞かせるというのはイベント全体を総括する内容でなくてはなりません。一方で多様なエンジニアのお祭りであるデブサミでは、総括も難しく、基調講演という形式が合わないということだと思っています(勝手に)。だから「デブサミの基調講演」というのは、かなりレア枠なのです。

そんな中、デブサミ関西2016のテーマは「変化」ということで「技術が成熟していくなかでエンジニアの役割が変わっていっているのではないか。改めて、これからのエンジニアにとって大事なことを考えたい」というものです(全文は開催概要を)。基調講演ですから、これを総括する話をしないといけません。

そこで、偶然にもCloud First Architecture 設計ガイドを刊行しようとしていたので、書籍の内容のサマリ+αということで話をさせてもらいました。出版社が違うのに、快く受け入れていただきありがとうございます。

タイミングとしては、本が先だったわけでもなく、講演依頼が先だったわけでもなく「あ、ちょうど、それ書いてたんです」というタイミングだったのは素直にうれしいです。この本がタイムリーであったということですよね。


「変化」を語るうえで重要なのは経緯の理解です。変化というのは、ある時点とある時点の比較によって成り立ちます。よって、今起きていることを理解するには、歴史を遡って過去との比較をすることが必要です。そして、その比較を深く理解するには、その時点間の経緯をストーリーとして語る必要があります。

この本は2001年のアジャイルソフトウェア開発宣言以降の技術やブームの流れを追ったものです。会場で話した中で一番イジワルな質問は、このページでしょう。

「あなたは、この年表のどこにいますか?」

先に言っておくと僕自身も2014年時点にいるわけではありません。なので、体験的にマイクロサービスアーキテクチャ(MSA)を語れません。でも、仮にやるべき時がくれば、何をすればいいかは分かっているつもりです。

MSAはアジャイルから10年以上経って広まりました。この10年間には意味があります。クラウドが生まれ、DevOpsが生まれ、様々な試行錯誤の上でMSAというものにたどり着きました。

仮にMSAに取り組むのならば、10年という時間が生んだ巨人の肩に乗らなくてはなりません。そのときに大事なのは巨人の姿をちゃんと理解しておかないとうまく肩に乗れない、ということです。

僕が言いたいのは「MSAはすごい」ではなく「よりよいITを求めた試行錯誤において現時点ではMSAという形になっている」ということです。MSAは「よりよりITを求める過程における1つの結果」に過ぎません。MSAは目的ではなく手段です。MSAにしたらよくなる、ではなく、よいものを追い求めたらMSAになったのです。

そして、よりよいITを求めるには、まだまだやるべきことがたくさんあります。そこに多くのエンジニアが取り組んでくれたらと思います。エンジニアが活躍できる場がすごく拡がっているのですから。


ところで、本にも少しづつ本の反応をいただけてます。一番多いのが「興味を持って深堀したいときに参考図書の紹介が少なすぎる」というもので、これは、そのうち対応したいと思います。