2013年5月11日、JJUG CCC 2013 Spring(日本Javaユーザーグループ クロスコミュニティカンファレンス 2013 Spring)を開催しました。朝の総会から夜の懇親会まで12時間以上、280名の方に参加いただき、無事に終了することができました。まずは講演者の皆様、参加して頂いた皆様、そして幹事会スタッフの皆様に感謝いたします。ありがとうございました。そして、エントリが遅くなってごめんなさい。
会長になってから2回目の大型イベントとなりますが、前回の反省を踏まえつつ色々と手配をしました。
講演者とのコミュニケーション
前回は連絡不徹底から「公募したのに候補に入っていない」「当日、講演者が来ない」などの事故があり、関係者には大変ご迷惑をおかけしました。今回は「公募をメールではなくフォームにする」「当日、緊急連絡先を聞く(実際には使わずにすみました)」といった形で事故を防ぐことができました。ですが、講演者の方については、もうちょっと厚めにフォローをしても良かろうとは思っています。ボランティア運営のバランスは難しいですが、JJUGなりに良い形を見つけていきたいと思います。
会場選定
前回はベルサール三田で、決して悪い会場ではありませんでしたが基調講演会場の天井が低く、200名を超えると後ろの方はサブスクリーンになるなど、やや難がある印象でした。今回はベルサール西新宿(元 三省堂ホール)にして基調講演会場は十分な広さと高さとなりました。が、スクリーンの大きさが中途半端、駅から遠いなどの課題はあります。次回も会場探しからやろうと思います。
スポンサー
会場がベルサールになると、当然ですが運営費が跳ね上がります。会計報告の予算計画でもありますが、いろいろ借りて80万円ほどになります。よって、無料で実施するためには企業にスポンサーをしていただく必要があります。ここはデブサミでコンテンツ委員会をやったり、自社でスポンサーをした経験が活きました(岩切さんは苦労を表に出さない方ですが、デブサミをやるって本当に凄いことです!)。
今回はゴールドスポンサーが日本ORACLE様、シルバースポンサーがアトラシアン様、日本コンピュウェア様、日立製作所様でした。いちおう各スポンサー様には成果に納得をいただけたように思います。次回以降もコミュニティとスポンサー企業が良い関係を築けるようにしていきたいと思います。
コンテンツ
コンテンツについては前回同様に公募でほぼ埋まるという状況が続いており、幹事会としてはコンテンツ配置が大変という贅沢な悩みを抱えております。今回、一部立ち見が出るなど読み違えたところもありますが、概ね予想通りでした。次回も公募を主体としますので、秋に向けて暖めておいてくださいませ。
今回、山本裕介さんが「3つ応募したら、どれか引っかかるだろう作戦」を敢行されていましたが良いアイデアです。コンテンツは個別の良さもありますが、全体のバランスで選ぶこともあり、複数エントリは採用確率を上げると思います。
懇親会
懇親会は毎回50名程度の方が参加されます。前回は会場近くのレストランを用意しましたが、それだとじっくり隣の人とは話せるものの全体的な懇親は難しくなります。そこで今回は会場内で部屋を借りて食べ物はデリバリーでお願いしました。プロジェクターがあったのでLTもできましたし、1つの形としては良かったと思います。「ビールが足らん」という指摘があったので飲み物は改善しようと思います(が、大量にあって飲んだくれられても困るわけで悩ましいところ)。
総会
総会資料については以下の通りです。名誉会長の新設と新体制については皆様の賛同を得て承認されました。ありがとうございました。より透明性のある運営を心がけようと思います。
全国JUGミーティング
IOUC(国際ORACLEユーザーカンファレンス)に参加したこともあり、国内JUG間での交流を深めたくて、全国JUGミーティングの枠を取ってもらいました(Togetterはこちら)。
今回は中国地方の曽根さんに「地方の勉強会事情」と題して30分ほど講演をして頂き、その後は札幌の渡辺さん、沖縄の平良さん、そして飛び入りの関西irofさんを交えてパネルディスカッションをさせていただきました。
個人的な気づきは曽根さんが言われていた「もう東京と地方で情報格差はない」という言葉です。言われてみれば当たり前で、東京と地方という地理的な違いは関係なくて、個人として取り組んでいるかどうか、というだけなんですよね。そして、その個人が活躍できる場としてローカルコミュニティが定着しています。たしかにオンラインのコミュニティも重要ですが、オフラインでの勉強会を実施できるローカルコミュニティの重要性は増すばかりです。知識を研鑽する場としてコミュニティの役割を改めて感じたのでした。
あとORACLE寺田さんと櫻庭さんの圧倒的な人気は素晴らしいですね。お二人の人柄とコンテンツ力があったのことだと思いますが、日本のJavaコミュニティの宝です。引き続き、全国を飛び回って頂きたいと思います。
なお、今回のミーティングにおけるJJUGのコミットメントは以下の3点です。どれも今年度で実施したいと思いますので、よろしくお願いします。
- 次回のJJUGでは女性枠とユース枠を設ける(意図的に多様性を作り出すための取り組み)
- JJUGでハンズオンのコンテンツを作り、それを地方JUGでも講演してもらう
- 継続的にディスカッションするためにも全国JUGミーティングをオンライン上でやる
基調講演
最後に自分の振り返りですが、基調講演1として「Javaのこれからを考える」を話させて頂きました。講演でも話しましたが、大変申し訳ない事に会長でありながら最新のJava技術については櫻庭さんはじめ、他の講演者の方がよっぽど詳しいわけです(その代わり、上記に書いたような調整事はできますが)。というわけで、僕としては範囲を広げた話をさせていただくしかないわけで、こういう振り幅芸を見せることになります。
ざっくりとしたサマリなので方向性を感じて頂ければ十分です。これまでの「クライアントとサーバ」という概念が「デバイスとサービス」という形になることで何が起きるのか。当日は「オムニチャネル」という言葉で説明をしましたが、これまで以上に全体性を捉えた構想と実装が必要になることは間違いありません。
特にエンタープライズ分野は既存事業者との協業が肝心であり、システムを開発する側でやるべき事は多いです。僕は「サステイナブルなSI」という表現をしていますが「持続可能なシステムを持続可能に開発する」という観点ではアジャイルのような開発方法論に限らず、アーキテクチャ観点での取り組みも重要となります。
次回に向けて
秋にはJavaOne後にCCC 2013 Fallをやります。今回の反省を踏まえて、よりより場作りをしていきたいと思いますので、ぜひご協力をお願いします。
今回の運営を通じて、やはりコミュニティには様々な側面で意義があると感じています。こんなにコミュニティがオープンに活動する産業も少ないと思いますので、良い形を作っていきたいと思います。
長期的な展望としては、もっとユーザー企業の方に参加して頂きたいと思っています。米国コミュニティの話を聞くとユーザー企業が積極的にコミュニティを支援しているそうです。現状、日本と米国ではユーザーとベンダーの関係性が違いますが、もっとユーザー企業がITに興味を持って良いと思います。仕事上でもユーザー企業の内製化支援をすることが増えているし、潮流としては間違いないでしょう。ITは使って役立つ道具、ユーザーの目利きが増えることはとても良いことです。その流れがコミュニティを通じて使って加速されればうれしい限りです。
さて繰り返しになりますが、スポンサーをやってみたいという方はお声がけくださいませ。資料を送付させて頂きます!