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ITアーキテクト 鈴木雄介のブログ

JJUG CCC Fall 2020をオンラインで開催しました

ちょっと時間が経ってしまいましたが、2020/11/7にJJUG CCC 2020 Fallをオンラインで開催しました。オンラインでのイベント開催は、まだ世の中にもノウハウがないと思うので公開報告です。

JJUG CCC 2020 Fall 会場タイムラプス

概要

セッションスケジュールはこちら。3トラック26セッション(10:00 - 18:50)と、事務局が配信するアンカンファレンスが1トラックで、計4トラックです。通算の参加者は600名程度で、通じての参加は300名程度でした。

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セッションスケジュール

セッションは事前録画の動画(40分)とし、ライブ感を出すために動画配信後はZoom経由で講演者がQA(10分)に答えるようしました。また、講演者は配信中に録画をみながらチャットに参加したり、Twitterで返信したり、わりと自由に過ごしてもらいました。事前録画の負荷はありますが、当日は気楽に参加してもらえますし、その点はよいのかなと思います。また、配信事故があった場合にも10分遅延で配信するといった対応がコントロールできるので、その点もよかったです(事故がないのが一番ですが)。

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セッションの配信画面

アンカンファレンスは1枠しか埋まらなかったため、それ以外の時間は「どこかのセッションをみながら副音声で説明や雑談をする」というゆるい企画になりました。これは意図していたというよりも、枠を管理していたリーダー @cero_t のキャラもあったのかなと思います。途中でコンビニ買い出しに行ったり、こちらも自由に過ごしています。ただ、この枠が「コミュニティ感がある」と評価をいただいたように思います。

システム

オンライン配信にはテイラーワークスを採用しました。オンラインセミナーのシステムはたくさんありますが、コミュニティ向けに成長させていきたいというコンセプトにも共感したことと、JJUG用にカスタマイズをしてくれるということで採用しました。ただ、朝イチのピークで障害が発生するなど、参加者の皆様にはご迷惑おかけしました。開発元とは原因と今後の対策を確認していますので、次回は大丈夫だと思います。

セッション管理にはConfengineを使いました。CfPの募集、選考、結果公開、スケジュール作成まで対応してくれます。JJUG CCCは公募で成り立っているため、公募と、その選定というのが一番手間がかかります。これはオンライン開催とは関係なく試してみたいツールだったのて、利用しています。決してUIが良いとは言えないのですが、手間は軽減できました。次回も使うかは悩みますが、実際、ある程度の規模だと、こういうものに頼るしかないと思います。

当日の体制

配信会場としてグロースエクスパートナーズ株式会社のG's LounGeを無償で借りました(ステマ)。まず、セッショントラックについては3つのブースに配信機材とオペレーター、司会を配置しています。機材はレンタルしており、オペレーターとディレクターは専門業者の方です。講演者は全員自宅からZoomに参加してもらっています。トラック別にZoomアカウントがあり、配信中は動画を流しますが、司会進行やQAになったらZoomからの配信にスイッチする形になります。

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セッショントラックの配信ブース

アンカファレンスは配信会場内にブースを設置し、そこからZoomで配信を行っています。このZoomには自由に参加することができ、直接、コミュニケーションをします。最大100人の制約はありますが、実際には20-40人の方が参加されていました。このZoomへの参加リンクをSNSで共有したため、Zoom-Bombingが発生してしまいました。この点は深く反省しております。
配信機材はG's LounGeの据え置きのものを借りています。スピーカーの手元のPC画面のスクリーン映像と、配信カメラで撮影している複数名のスピーカーの映像をPinPで合成し、音声はマイクから拾ったもの使って配信用PCからZoomに流しています。スピーカーは、配信用PCの映像をモニターでみています。

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アンカファレンスの配信ブース

費用

みなさんが気になる費用です。事務局依頼費ですが、JJUG CCCではスポンサーとのやりとりや事前準備をアウトソースしており、幹事はコンテンツの選定に集中するようにしています。ちなみにスポンサー収入は350万円なので、その他の雑費を含めるとトントンということになりました。

項目 費用 備考
各システム利用料 50万円 テイラーワークス/Confengine/Zoom等
配信機材 170万円 セッションの配信機材&スタッフ&設置等
事務局依頼費 100万円 スポンサー対応、準備等

合計:330万円

物理開催の場合、50セッション程度、1000人参加で実施していますが、会場のレンタル費用が300万円、それに懇親会、無線LAN、Tシャツ、託児、事務局費などをいれると、650万円ぐらいになります。また、ボランティアスタッフを30名程度お願いしていましたが、オンライン開催では0名にしています。


さいごに

まず、初のオンライン開催に参加いただいたみなさま、事前録画していただいた講演者のみなさま、支援いただいたスポンサー各社さまには心から感謝です。まずは「オンライン開催して、すべてのセッションが実施できた」ということは成果としつつ、やはり、もっとセッションを盛り上げるため仕掛け、スポンサーにメリットがある取り組みをしないといけません。また、幹事会側としても、もっと効率化したいとか、情報共有の方法を変えないといけないとか、色々と反省がありました。いずれも次回の開催で対応していきたいと思います。

次回は2021年の5月あたりを予定しています。また、参加いただけたら、とても嬉しいです。