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arclamp

ITアーキテクト 鈴木雄介のブログ

アーキテクトと要求もしくは技術について[追記あり]

2014年2月27日の要求開発アライアンス2月定例会で「アーキテクチャの発掘に見る要求変化の発見」、そして翌2014年2月28日にはEnterprise ☓ HTML5 Web Application Conference 2014で「JavaエンタープライズアーキテクチャにおけるHTML5」という講演をさせていただきました。


前半は(ここ数年間は同じですが)、ITサービスの提供において「利用価値、提供機能、構成/構造、プロセス」の4つの要素のバランスが重要であり、そのバランスを取る事がアーキテクチャ設計だという話です(そのバランスを保ちながらモノを作るのがマネジメントですね)。そして、後半はそれぞれのイベントの趣旨に従って変えています。

要求定義がきちんとできても、どんなにHTML5に詳しくても、あるいは、どんなにアジャイルがうまく回っても、それ"だけ"で良いITサービスを提供する事は出来ません。4つの要素が調和してこそ、はじめて良いサービスにつながるのです。特定の要素に縛られすぎずに視野を広げて、各要素を整合させることこそが重要でしょう。

ここ最近は、どちらかというとDevOpsやアトラシアンの話をすることが多かったので、改めてアーキテクト/アーキテクチャの話がきちんとできたので非常に楽しかったです。お誘いただいた皆様、ありがとうございました。


それぞれのイベントでの気づきをメモ程度に。

要求開発アライアンスでは質問をきっかけに懇親会で「いかに変化し続ける要求に対応すべきか」という話になりました。おそらく4つの要素だけでは難しくて、もっと高レベルな意味での「利害関係者間での目的の共有や信頼関係」というようなことが必要になるかと思います。

どんなに優れた人間でも予言者ではありません。未来は常に不確定です。よってプロジェクトを進めるなかでは様々な不測の事態が発生するわけですが、それには「対処し続ける」という事でしかゴールに近づけません。これは、決して1人では出来ないのです。顧客、仲間、その他大勢の人の協力なしに乗り切る事はできません。こうした、泥臭いというか、非常に人間臭いことがITサービスの提供には欠かせないものでしょう。

ただ、まぁ、これだけを取り出して「みんなの信頼が大事だ」と声高に叫んでも事態が改善されるわけではありません。地道な積み重ねをしながら、利害関係者が真摯に話し合っていくしかないのです。それぞれの現場で、それぞれの姿で少しでも良くしていこうとする努力が続けられたらなと思います。


一方でEnterprise ☓ HTML5 Web Application Conferenceでは散々UI/UXをdisりました。現状のUI/UX論というのは所詮インタラクティブなホームページをデザインする域を出ておらず、非常に感性にまかされており、エンジニアリングと呼べるような状況ではないと考えています。そもそも、IAにしても、あるいはRESTfulにしても「静的な情報」の取り扱いをメインにしており、エンタープライズで必要な業務アプリケーションをデザインするには不足感が強い。だからこそ、ユーザーテストを中心に据えるという原始的な手法に頼るしかないのです(これがダメということではありません)。

とはいえ、こういう限界点さえ分かっていれば過去の積み重ねを学ぶことは大事です。ウェブに接続される動的なアプリケーションというのは発展途上であり、まだまだ多くの可能性を持っています。今年はウェアラブルデバイスの数も増えますし、IoT(Internet of Things/もののインターネット)というバズワードも広がってきていますし、試すべき事がなくなることはしばらくはありません。こちらも現場での努力を続け、その結果を共有しながら前に進んでいければと思います。


というわけで、これからも引き続き宜しくお願いいたします。資料は以下で。
※2014/3/4追記 Youtubeで講演記録が見れます。
※2014/4/3追記 CodeIQ MAGAZINEさんで「エンタープライズの課題解決を考える「Enterprise x HTML5 Conference 2014」レポート(おやつ問題解説付き) #html5biz」として、講演録を書いていただきました。ほぼ書き起こし状態なのでご覧下さい。

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