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arclamp

ITアーキテクト 鈴木雄介のブログ

アジャイルをダメにしないためにすべきこと

アジャイルがダメだと思う7つの理由」をエントリしてから一週間が経ちました。まさかPublickeyにまとめが載るとは思いませんでしたよ。


内幕を正直に書くと、あの日の昼に「アジャイルも普及してきて妙に執着する人が増えたよね」と茶飲み話していており、それを「受託開発に真面目に取り組むマネージャーが、知り合いでアジャイルにハマった人に久しぶりに出会って『時代はアジャイル』と熱くねちねちと語られているうちに、どうにも納得できなくてキレた」という設定で書いたものです。刺激的な表現もあってお騒がせしました。

反応していただいたBlogは「アジャイルがダメだと思う7つの理由」に追記してあります。その他の反応ははてブでも見てもらえればと思います。

職業アジャイラーの皆様からは同意と反論が混ざった反応をいただいております。ご意見がある方は引き続きBlogで書いて頂ければ幸いです。あのエントリは仮想人格が書いたものですので、アジャイルに不慣れな受託のマネージャーだと思って諭すように書いて頂けるとよいかなと思います。


アジャイルの価値と課題
さて、アジャイルは"プロセスを守るだけで動くソフトウェアが一向にできあがらないプロジェクト"を打破するために提唱されました。ソフトウェアが複雑化する中で"最初に全てを計画する"ことの無意味さを認め、探索的にプロジェクトを成功させるための方法論を実践から積み上げて共有しようという試みです。

個人的にはタイムボックス型の管理が目から鱗というか、そういう諦めをしちゃっていいんだと、てか、何よりも大事なのは時間というリソースなんだということを気づかせてくれました。そんなわけで僕としてはアジャイルのコンセプトやプラクティスについては大いに参考にしていますし、良いところも十分に理解しているつもりです。ですが、だからといって単純に「アジャイルが良い」という風潮には問題があると感じています。


思考停止になっていませんか?
プロのエンジニアであれば「プロジェクトが成功するためならなんでもする」のが当たり前です。なので「プロジェクトが成功するためなら、なんでもいいから、うまくいく方法をとる」ということが大事であって「アジャイルが良いかどうか」というのは重要ではないはずです。アジャイルで成功するのであればアジャイルにすればいいだけ。ただ、もはやアジャイルとかウォーターフォールの選択ということではないのです。

頂いたコメントの中でこれだけ紹介します(クローズSNS内なのでお名前は出しませんが)。

もうメソドロジーだとかプロセスの標準化という事自体が思考停止状態を生みかねないリスクをはらんでいる時代になっているんだという事。アジャイルだろうが、ウォーターフォールだろうが、細々とした良いプラクティスは良いのであって、それを繋いで全体として良い方向性を生み出すのは、もはや現場のダイナミクスを肌で感じる立場の人がリードしなくちゃいけないスピードの世の中であって、その認識が圧倒的に欠けている事がとても危ないと思うんだよね。

超同意。「アジャイルは良い」というところで思考を止めず、なにが良いのか、どんなときに使えるのか、じゃ、このプロジェクトでどう使っていくのかを考え続ける。ぜひウォーターフォールとかPMBOKとかUPとかも勉強していただきたいです。

もちろん、勉強や議論だけしていても事態は前に進まないわけで、考えたことは実践していきましょう。そして、そのフィードバックやノウハウを交換したいですね。同じ落とし穴に嵌まるにしても、あると分かっていれば心も準備もできますし。


アジャイルをダメにしないために
最後に。先のエントリを見て「イラッ」とした人は要注意です。それはつまり"アジャイル"そのものに執着してて、違う意見を聞き入れる余裕がなく、冷静に物事を判定できない可能性があるということです。そういう人は「アジャイルが正しく動かないのはプロジェクトが悪いんだ」と本末転倒なことを考えがちです。プロジェクトがうまくいかないことをウォーターフォールや契約のせいにしていませんか?そして、それは自分ではどうしようもなんだと諦めていませんか?

アジャイルこそが正しい」という考えを捨て「このプロジェクトにとって何をすることが正しいか」と考えてください。そうすれば、あなたにもきっと出来ることはあるはずです。アジャイルのプラクティスのいくつかが実践できませんか?同じように不満を抱えた仲間とは愚痴を言うだけではなく行動を起こしましょう。そうやって実践を積み上げるなかで学んだことが役立つのです。

アジャイルは良い手法ですが銀の弾丸ではありません。異なる状況にいれば異なる意見も出てくるので、心を広く聞いて頂ければ、そこで学ぶこともあるはずです。本当に大事なことはプロジェクトを成功させることであり、お客さんにありがとうと言われることであり、あなたのキャリアが次につながることのはずです。アジャイルという道具を活かすも殺すも、結局は人間なのです。


と、いい話風にまとめてみました;-P


本文ここまで

<追記:みなさまの反応>